なぜ『富士宣言』なのか ―人類とその未来に意味するもの―

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アーヴィン・ラズロ

混迷と持続不可能の時という危機的状況においては、変革は連続して起こるものではなく急激に起こるものです。今は危機的な時期で、我々が作り上げてきたシステムが大混乱に陥って崩壊するか、危機を突破し新秩序に向かって発展するかのどちらかです。この飛躍は、トップダウンでもたらされるものでもなければ、メインストリームで起こるものでもありません。また、金力や権力によって突き動かされるものでもありません。草の根運動として、創造性のある周辺層の人々の中から始まり、あらゆる人々の心と精神に宿る「神聖なる意識」によって行動へと移されていくのです。

今日の我々の課題は、内在する「神聖なる意識」にふたたび点火し、我々が何者であり、他者と、地球と、宇宙といかなる関係にあるかの認識を蘇らせることです。我々は物質的宇宙における物質的存在ではありません。肉体を有してはいますが、同時に情報に満ち溢れた宇宙において非物質的意識をも有しています。我々の身体は、原子から銀河系に至るすべての統一体と結合して”絡まり合って”いるのであり、我々の意識は、天地に遍満している宇宙の意識と一体なのです。我々が抱えている混迷と持続不可能性の生まれた原因は、究極の自己洞察を受け容れず、自分は、宇宙というよそよそしく冷淡で敵意に満ちた世界で、ばらばらな存在であると思い込み、自らの利己的利益を追求したことにあるのです。

いよいよ、人間が自らの意識に内在する叡智に目覚める時が来ました。この叡智に目覚めれば、我々は、自らの心と意識で時間空間の制約を超えて、プラトンの言う五感を超えたところに存在する「実在」と一体となることが出来るのです。また、理論物理学者のデヴィッド・ボームが「内蔵秩序」と呼び、ヒンドゥー教のリシ(聖仙)が第五番目の最も深奥なる宇宙要素「アーカーシャ」(虚空)と呼ぶところの深い次元の実在と、自分たちが一体であるということが分かるのです。

偉大な霊的思想も、宗教も、伝統ある文明も、鋭敏な感性を有する人々もすべて、彼らは根源において宇宙の生命と一体であることを知っています。動物や他の生物は、この一体性についての自覚はないものの、行動がこの一体性に則しているために、自らの存在を他の動物や大自然から分断させるような致命的な誤りを犯すことはありません。

現代人のみが、五感を超えて世界はなく、頭脳を超えて意識はなく、現世を超えて生命はないという錯覚に陥っているのです。我々は今こそ、この錯覚を脱して、 真、善、美に向かう崇高なる魂の次元上昇を再開すべき時なのです。

平穏で安定していると見える時代に、分断の錯覚を克服して、精神と魂の深い洞察力を回復するには、千年とは言わないまでも数世紀が必要です。しかし現代のような不安定な時代においては、このような根源的な次元上昇であっても急速に起こり得るのです。我々はカオスの状態に突入しています。このカオスは、壊滅への序章であると同時に、まったく新しい段階へ前進するための鍵ともなります。我々にとっては好機到来です。危機的状況にあるこの時にこそ、必要な変化が、それも今起きなければ、将来にも決して起きることはありません。何故ならば、時が窓を開けるには限りがあり、それも数年単位でしか開いていないからです。しかし幸運なことに、時の窓が開いている間には、殆ど無制限ともいえる変革と変容の可能性がもたらされます。

世界は壊滅か突破かの岐路にあります。我々は、その変化の引き金になるのです。いわば、一匹の蝶となって、その羽ばたきが、人類の想念・感情・熱意の「気候」に影響を及ぼすことにより、一時的に陥っている錯乱から人類を目覚めさせ、根源においては一体であるということを思い出させるのです。今日ほど人類が、団結して生きるか、それとも、ばらばらに生きるかの岐路に立たされている時はありません。

「富士宣言」は、上記の「気候変動」に欠かせない「蝶」なのです。この宣言は、「神聖なる意識」を復活させ、本来の愛、共感、叡智、歓喜を引き出すことにより、人生を豊穣なものにすることを宣言しています。「富士宣言」は、「神聖なる意識」に目覚め、大自然と宇宙とのつながりを思い出し、我々の生活を一体性と調和に向けて再統合すべき時が来たことを宣言しています。種々の生命科学も、古来の深遠なる洞察が正しいことを示しています。我々の肉体を構成する無数の細胞や様々な諸器官が、相互に連結し調和裡に協力し合って、生命を支えているのと全く同様に、人類一人一人は、この地上における大いなる生命の網を構成するオーケストラの欠くべからざる一員として、支え合っているのです。

この「富士宣言」は、世界中の各分野における多数の洞察力に富む著名な個人及び団体から賛同を受けています。この宣言は、地球の生命体の特性であり、かつ歴史を通じて健全かつ持続可能な文明を保証してきた「一体性」への回帰を呼びかけています。何処に住み、如何なる分野の活動に従事していようとも、この宣言の呼びかけにご賛同下さる限り、いかなる個人も団体も参加することが可能です。この宣言に賛同し、支持して下さることは、「変革のための引き金」となります。クリティカルマスに相当する数の人々の心と精神を啓発し、個々別々ではせいぜい高貴な意志の人や敬虔な向上心の持ち主を生むだけのものが、団結すれば世界の変容も可能だと悟らせる要因となるのです。

世界を変容させる時間はまだ残されています。世界を変容させるためには、先ず自分自身を、即ち、自らの考え方、価値観、意識を変えることです。その第一歩として、我々の「神聖なる意識」に再点火することから始めようではありませんか。


By: Ervin Laszlo

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