2016年2月3日

ニューヨークの国連本部で、国連加盟国の代表を含むスピーカー、宗教リーダー、国際的な団体のトップが集まり、国連の持続可能な開発目標SDGs（17項目）を達成する上での重要課題である宗教間の結束について議論が交わされました。このイベントは、United Nations Alliance of Civilizations（文明の同盟）と国連の宗教NGO委員会のパートナーシップにより開催され、西園寺昌美氏がスピーカーの一人として出席しました。

西園寺氏のスピーチは、昨年5月に発足した「富士宣言」を中心に展開され、人間の多様性を輝かせ、全ての人を一つにつなぐ神聖なる精神を具現化するために、あらゆる分野の人々に「富士宣言」への参加を呼びかけるものでした。

この会議の組織委員の一人である、国連「文明の同盟」の上級代表ナシール・アブドラジズ・アルナセール閣下からの招待を受け出席した西園寺氏は、宗教コミュニティと国連のそれぞれの場にパートナーシップを育むための革新的なアプローチについて、スピーチをすることになっていました。

最初の二人のパネリストは、各宗教が調和することが、持続可能な開発目標の達成のカギを握っていることに言及しました。 続いてヨルダンの国連代表部、バチカンの国連オブザーバー代表部、ユネスコ、アメリカ系ユダヤ人の世界奉仕団体、ナイジェリアのイファ遺産研究所がそれぞれにスピーチを終えました。はからずもこれらの発言が会議に多様な文化的視点を提供し、ワールド・ピース・プレヤー・ソサエティ、白光真宏会、五井平和財団の３つの団体の会長を兼任する西園寺氏のステージの下地をつくることになりました。

プレゼンテーションの開始にあたり、西園寺氏は持続可能な開発のアジェンダ2030を「新しい文明へのロードマップ」と位置づけるとともに、スライドを使い、富士聖地での活動の数々、世界各地でのピースポール建立プロジェクトの様子を紹介しました。 2015年の「富士宣言」発足記念行事の舞台となった、恒例のシンフォニー・オブ・ピース・プレヤーズ(2005年~毎年)についても紹介がありました。

ハイライトは富士宣言についての説明で、持続可能な人類社会のためにあらゆる分野の人々が、人間には神聖なる精神が内在していることに気づき、それに目覚めることを訴えた部分でした。
そしてこう問いかけました。「人間は誰でも神聖なる精神を内在させています。そのことをすべての人が知ったなら、宗教や政府間の関係はどのように変わるのでしょうか。
それに気づくことが、多様性を有した一体性という新しい時代の扉を開き、国連の働きを強化することにつながるのではないでしょうか。」

さらに、「富士宣言」の発足1年を記念して、ソウル・オブ・ウィメン・グローバル・ネットワークの紹介を行ないました。これは富士宣言のプロジェクトの一つで、女性と男性の両方に、癒しによって世界の男性性エネルギーと女性性エネルギー、愛と力のバランスをとるよう促し、人々の神聖なる精神に灯を点すものです。これは国連持続開発目標の5「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」を満たすものでもあります。

西園寺氏は、以下のような力強い言葉でスピーチを締めくくりました。 「私達すべてのネットワークが互いに手を結び、国連の持続可能な開発目標SDGｓ2030を支持しましょう。そして共創して、新しい文明を、平和の文化を築きましょう。私たちはもうこれ以上待てないのです。May Peace Prevail on Earth」

次いで音楽の演奏に移り、イスラム協力機構、国連人口基金、世界銀行、様々な宗教団体を代表する次のパネルディスカッションのパネリストが登壇しました。宗教連合URIのエグゼクティブ・ディレクターのヴィクター・カザンジアン氏のスピーチの結びは “May Peace Prevail on Earth”でした。

会場は新たな希望と約束の光に満たされ、プログラムの終わりには、異なる信仰、異なる分野の人々の思いやりあふれる協力の精神が、広がっていました。

富士宣言は世界の表舞台に登場しました。今こそすべての国の女性と男性が、自分自身の持てる力を実感し、各自の神聖なる精神が世界の平和に向けてつながる時です。西園寺昌美氏の言葉にもあります。私たちはもうこれ以上待てないのです。