共同発起人からのメッセージ
※このメッセージは、富士宣言7周年に際し、共同発起人寄せられたメッセージです。
アーヴィン・ラズロ/ブダペストクラブ創設者
西園寺裕夫・昌美夫妻と私の三人が発起人となり、富士宣言を発表してから7年が経ちました。この宣言を世界に広めようと、自らがその精神を現すよう努めてきました。
なぜ「富士」なのか。そして、なぜ「宣言」なのか。
富士山は平和と精神性のシンボルとして世界的に有名です。人間の本質、そして私たちを取り巻く世界を、より深く理解することから生まれた一人一人の宣言。これを空に向かってそびえ立つ壮大な日本の霊峰、富士山にちなんで「富士宣言」と名付けました。
7年を経て、富士宣言が少しずつ人々の心の中に種をまき、根を張り、花を咲かせ始めています。富士宣言の精神、神聖なる意識が力を発揮する時が、いよいよ来たと思います。しかしながら、今の世の中は争いに満ちています。思いもよらない戦争が起きています。神聖なる精神、ディバイン・スパークは、一体どこにあるのでしょうか。私は、表面的な問題や紛争、暴力にかかわらず、神聖なる精神は存在していると思います。
今回の侵略に端を発し、世界の多くの国々が、平和のためにかつてないほど団結し、行動しようとしています。平和とは、単に戦争がないことではありませんが、戦争がなくならなくては平和は得られません。しかし、いったん戦争の脅威がなくなり、暴力を克服できたならば、次に私たちは何をすべきか、どこに向かうべきかを考える必要があります。それが、富士宣言の中で述べた神聖なるワンネスの世界です。この雄大な山のスピリットは、私たちの世界を一つにすることができます。私たちは皆、この精神でつながることができるのです。
私たちの中には確かに神聖なる精神があります。その精神を自分の心、自分の存在、自分の意識の中に現していかなければなりません。私たちの中に平和があれば、周りの世界にも平和がもたらされるのです。富士宣言は、かつてないほどタイムリーなものです。私たちは、ディバイン・スパークに基づいて行動する必要があります。「自分が変われば、世界も変わる」。ガンジーはそう言っています。
私たちは、富士宣言が象徴する深い洞察に従って、今こそ変わるべき時なのです。
西園寺昌美/五井平和財団会長
今、世界は、自分さえよければ、自分の国さえよければいいという自己中心的な意識で動き、環境汚染や自然破壊、新型コロナウイルスによるパンデミック、戦争、分断など、先行きの見えない危機的状況にあります。しかし、こうした出口の見えない状況でありながらも「何かがおかしい」、「自分は今までと同じ生き方をしていていいのか」と、自らの生き方を見つめ直し、新しい生き方を求める人、また、様々な困難の中で助けを求めている人や弱い立場の人の役に立ちたいと思い、言動に現していく人々が増えています。
こうした行為は、その人の神聖の現れの始まりです。神聖、即ち、全ての人が持っている自らの未来をより良くしようとする力、愛、思いやり、慈しみなどの精神性が現れているのです。自らに神聖があることを知り、神聖を発揮していくことで人生は全く変わり、神聖を現す人が増えることで、世界の未来は大きく変わっていきます。世界の行方を決めるのは、一国のリーダーや時の権力者ではなく、私たち一人一人の神聖を発揮した生き方なのです。
人は影響し合って生きています。富士宣言に賛同し、ポジティブで、善なる精神を発揮する皆様の生き方は、周囲の人々の神聖なる精神の扉を開くきっかけをつくっています。私は今、科学、芸術、教育、ビジネス、環境など、富士宣言に名を連ねてくださる様々な分野の名誉賛同者の方々と協力し、富士宣言の価値観に賛同し、体現する若者のネットワークを形成しようと動いております。
これまでの常識、既成概念、習慣に捉われない純粋で有望な若者たちが、各国から数名ずつグローバルにつながり、国、人種、宗教、イデオロギーなどを超えて互いを認め合い、学歴、地位、名誉、性別などに関係なく、あらゆる命が尊重される世界に向けた潮流を共につくっていきたいと考えています。
まさに時来たれり。
「富士宣言」に賛同してくださる世界中の方々、共に邁進してきたアーヴィン・ラズロ博士に心から感謝申し上げますと共に、今後も皆様と富士宣言のビジョンの実現に向けて前進できることに大きな喜びを感じております。
西園寺裕夫/五井平和財団理事長
ロシアのウクライナ侵攻は、一向に解決の目処が立たず泥沼状態が続いております。報道が伝える悲惨なニュースに触れるたびに、本当に心が痛みます。
戦争の影響は当事国に留まらず、エネルギー問題や食糧問題など世界の人々の生活にも混乱をもたらしており、特に貧困国での飢餓がさらに増えることが危惧されます。この状況がさらに悪化し、危機的な方向に進んで行った場合、世界は一体どうなるのでしょう、人類は一体どこに向かっているのでしょうか。
人類の歴史を振り返る中で、ルネサンスという大きな社会変革がありました。ルネサンスはフランス語で「再生」「復活」を意味しますが、ヨーロッパで14世紀に興ったルネサンスは文芸復興とも呼ばれ、プラトン、ソクラテス、アリストテレス、ピタゴラスなどを輩出した古代ギリシャ・ローマの学術や文化を復興しようとする運動でありました。
それには、暗黒の時代とも呼ばれた中世において、教会中心の封建社会の中で人間性や個性が抑圧され、学問や芸術も停滞した時代背景があったわけです。ですからルネサンスは、学問、科学、芸術の復興のみならず、その根底に人間性の復活と個の目覚めという大きな意味があり、それがその後の世界観の基礎になりました。それは人類の意識変革と進化の歴史と言ってよいと思います。
今年の5月に7周年を迎えた「富士宣言」は、人間の本来持っている善なる心と神聖なる精神の復活を掲げて始めた運動ですが、物質的価値観の偏重によって薄れてしまっている精神的価値観の復活を目指していると言ってよいでしょう。特に現在のように、政治、経済、環境・資源、感染症など全ての分野で行き詰まった世界において、物理的な方法だけで問題を解決するには限界があります。人類の平和と持続可能な社会を築くためには、人間の意識変革による精神的進化以外にないと考えます。
14世紀に始まったルネサンスが、中世の暗黒時代を経て、人間性と文化を取り戻すための文芸復興であったのに対し、「富士宣言」は現在の混沌を超えて、人間の精神性を復活するための精神復興(スピリチュアル・ルネサンス)であると位置づけております。
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