目覚めへの旅路

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デュエイン・エルジン

生きている宇宙というパラダイム:
世界のあり方について、一貫性のある考え方、概念、仮説が次々と提示されています。端的に言うと、宇宙は生命体でないとする見方から、ユニークな生命体であるという見方への大きなシフトです。これは決して新しい宇宙観ではありません。すでに2千年前、哲学者プラトンは、「宇宙はすべての生命を包含した一つの生命体である」と述べています。
では、何が新しいかというと、生きている宇宙という見方が科学的知見に基づいている点です。宇宙は、一つの統一されたシステムで、膨大な量のエネルギーの流れによって持続的に維持されていること。存在するすべての生命体は、僅かではあるが選択の自由を行使できる意識、あるいは内省する能力を本質的に内包しているということが、立証されつつあります。

バイオ・コズミック(生物宇宙的)アイデンティティ:
生きている宇宙という考え方に立つと、私たちは肉体としての生命体以上のアイデンティティを持つ存在ということになります。私たちは、バイオ・コズミック(生物宇宙的)な存在であり、宇宙が生きている事実に深く参画しているのです。そこには神聖なる生命エネルギーが注ぎ込まれ、そのエネルギーが全宇宙を支えているのです。
その生きている宇宙の中で、私たちの個を保ちながら互いにつながり合う存在だというアイデンティティに気がつけば、私たちの未来を脅かしている、個々が分離して存在している感覚や、自分たちが最も優れた種だというおごりも変わっていきます。私たちは、宇宙が何十億年にもわたって根気よく育んで来た生命の庭の住人なのであり、生きている宇宙は、私たちが無関心と恐怖と不信から、愛と畏敬の念と参加意識へとシフトするよう導いてくれます。

至上の目的:
生きているとは、単に、死んでいないという以上の意味を持っています。私たちがここに存在する目的は、生きている宇宙の中にあって、持続可能で思いやりのある生き方を学ぶことです。私たちの生命は、宇宙からの贈り物であり、私たちの生き方の選択は、私たちから宇宙への贈り物とであるのです。
私たちは、聖なる発見の旅路にいるのです。地球人として、また宇宙次元の存在として自分たちのアイデンティティを自由に探し求めているのです。140億年という進化の時を経て、全地球が大転換するこの時、私たちは、地球全体のため。内省的で創造的な活動を、地球を代表して行なっているのです。

繁栄する地球文明:
人類は、長い歴史を通じて、内省的な意識の能力を着実に発達させてきました。狩猟や木の実を採集する人たちの神秘的な世界から、自然に根ざした農民の世界へ、そして活発な都市型産業社会へと。今や、ホリスティックな視点や集合的な意識が、私たちのグローバルな思考の中に急速に芽生えつつあります。
この新しい意識は、新しい地球文明の基礎となるものです。私たちの生命が、より大きな生きている宇宙の営みの中で育まれるものであるとするなら、万物を生命ある尊ぶべき存在と考えることこそ、正しいと言えるでしょう。私たちの行動は、生きている宇宙の営みの隅々に影響を及ぼし、それぞれに倫理的な帰結を招くのです。
私たちの集団の目的は、大量消費型からよりシンプルなライフスタイルへとシフトしています。それにより私たちは、生きている宇宙と、その不可欠な構成員としてより直接的に関われるようになりました。人類の目覚めへ向かう旅路はいよいよ大きな転換点に差しかかっています。地球上で生き続けていけるか、互いに調和し、生きている宇宙とも調和して生きていけるかどうか、私たちは今、そういう重大な試練に直面しているのです。


By: Duane Elgin
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